カリグラフィーQ&A
カリグラフィー(概略、道具・練習方法など)
Q. カリグラフィーの道具はどこで手に入りますか?
大きな画材屋(事前に在庫を確認)やネットショップを利用しましょう。
世界堂本店(新宿三丁目)はカリグラフィーの道具だけでなく、絵の具や用紙、額など
沢山の種類を手に取って確認できるので安心です。
初めての方は教室に通ったり、通信を利用して手に入れるのもおすすめです。
Q. 傾斜板は使った方がいいのでしょうか?
中世のカリグラファーのように傾斜板を使って文字を書く方法もありますが、使わなくても書けます。
当方は視野が広く、作業の効率を考えて傾斜板は使わずに文字を書いています。
Q. ペンの角度の意味がわからないのですが、、
例えばイタリック体ではペン先の角度を45度にして書きます。
ペン先の平らな部分を水平方向から45度に斜めにした状態で書きすすめることを意味します。
ペン軸自体は鉛筆握りですが、軸を回して45度に調整して、角度を固定して文字を書くのです。
鉛筆などは先端が尖がっているので角度は無関係ですが、カリグラフィーのペン先は幅が広いので
角度を変えると書かれる線の太さがどんどん変わってしまいます。
(例 ペン先を水平(0度)にして縦線を書くと一番太い線となります)
といっても文章ではわかりにくいと思いますので詳しく知りたい方はご連絡下さい。
Q. 文字の傾斜の意味がわからないのですが、、
例えばイタリック体では文字の傾斜は5度にして描きます。これは文字の縦線を垂直から少し斜めにすること意味します。
しかしながらカリグラフィーの書体は文字の傾斜がなく(0度)垂直におろすものがほとんどです。
残念ながら解決しなかった方はご連絡下さい。
Q. ペン先にインクの入れ方がわからないのですが。。
スポイトタイプのインクはペン先の横から隙間にインクを入れます。隙間の半分くらいインクをいれ、先端に達するようにスポイトを動かします。
壺タイプのインクは壺にペン先を入れ、隙間の半分くらい満たします。余計なインクは壺のふちで落としましょう。
Q. インクがペン先から出てこないのですが、、
新しいペン先は最初はインクをはじいて出にくいかもしれません。
水を用意してインクを入れた後にペン先をちょんちょんとつけてから書いてみて下さい。
ペン先にインクがしっかり入っているか確認しましょう。書くときにはペン先を紙にしっかり押し付けてゆっくり書きましょう。
残念ながら解決しなかった方はご連絡下さい。
Q. インクがにじみます。
コピー用紙にインクで練習すると滲むことがあります。おそらくコピー用紙の種類によりますが書いてみないとわかりません。
あまりにも気になるようでしたら黒の絵の具で練習するか、他の用紙に変更しましょう。
Q. どこで学べますか?
カルチャーセンターや個人のお教室で学ぶことができます。
時間や場所などを調べてみましょう。
教室によって書体見本や教材などが異なりますので自分に合った教室を探しましょう。
Q. 書体は何種類ありますか?どのくらいでマスターできますか?
カリグラフィーは美しい手書き文字のことですので、歴史が始まってから様々な時代に世界各地に発生しているといえます。
現代日本で学ぶためのカリグラフィーの見本として整っているものは何十書体か存在していると思われます。
当サイトでは11書体をご紹介しております。
マスターする期間は目安として2時間程度のレッスンで毎回数個ずつアルファベットを練習します。
教室によっては単語や文章の練習、作品の制作、技法の習得などもカリキュラムに含まれます。
Q. おすすめの教本はありますか?
独学で学ぶ場合は教本が必要です。道具の使い方や文字の書き順など丁寧に書かれたものが良いでしょう。
図書館にもあると思いますのでまずは中身をチェックしてから購入してみてはいかがでしょうか。
(日本語の教本はそれほど出版されていません。絶版になっているものもあると思われます)
通信のテキストは練習のリズムがとれておすすめです。
Q. どのように練習をすると効果的ですか?
教室で学ぶ場合、予習よりしっかりと復習をしてから次のレッスンに備えるとより効果的です。
漫然と見本を見て書くのではなく、自分で添削するつもりで見比べる時間も持ちましょう。
最後は見本を見ないで書けるようになることが理想です。
独学の場合は、よくよく見本と見比べて形を整えていきましょう。
どちらにしても週に何回かカリグラフィーと向き合う時間を設けることを意識しましょう。
Q. 日本の書道と何が違いますか?
日本の書道は筆・半紙・墨を使用しますが、ここでいうカリグラフィーは金属のペン先・紙・インクを主に使用します。
書道の筆は力の入れ加減や運筆によって文字の形を自在に操りますが、
カリグラフィーは決まった持ち方で・動かし方をすることで規則正しい文字の美しさを楽しみます。
文字サイズも書道は大きく、カリグラフィーはかなり小さな文字を書くという違いもあります。
(自由な作品制作ではこの限りではありません)
カリグラファー(仕事など)
Q. どのようにしたらカリグラファーになれますか?
日本においてカリグラファーとして収入を得る方法としては、教室の講師・カードや作品の販売が主だと思います。
講師になるためには、ディプロマを発行するような教室に通い斡旋してもらうか、ご自分で生徒を集めるかになります。
カードや作品の販売は、積極的にお店に置いてもらったり、ネットで販売することもできるでしょう。
どちらにしてもやりたい、作りたいだけでは職業として成り立たないので、どうしたらその土壌ができるかを
真剣に考えていかれると良いでしょう。
Q. カリグラファーに向いている人はどんなタイプですか?
手で文字を書くことが感覚的に楽しく思える人が続けられると思います。
どんな切り口でもいいので(歴史・美術・デザイン・聖書などなど)、カリグラフィーの世界観が広いと深みのあるカリグラファーとなるでしょう。
Q. カリグラフィーのコンクールや賞などありますか?
カリグラフィーに特化したものはあまり見かけませんが、
ロゴデザインやポストカードコンテストなどチャレンジしていくと良いのかもしれません。
Q. 海外で活躍できますか?
その人次第、やり方次第でしょう。。。
Q. イラストは描かなくてはいけないのでしょうか?
カリグラフィーは文字のことですのでイラストは描けなくても大丈夫です。
ただ職業として作品販売などを考えた場合、文字だけの作品では寂しく感じるかもしれません。
豪華な装飾文字や飾り模様、イラストなども是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Q. パソコンは必要ありませんよね?
パソコンが当たり前となった現代においてこそ、手書き文字の習得や作品に大きな価値が見出されています。
一方パソコンで簡単に文字の加工や印刷など個人でも気軽にできるようになりました。
純粋に全て手書きにこだわることも素敵ですし、カリグラフィーを文字を素材として使っていく方法も良いと思います。
当方では1点ものの額装作品は全て手書きということにこだわり、ペーパーアイテムなど数が必要な場合はパソコンに取り入れ印刷しております。
また自営業をお考えの方はサイトやブログ、SNSの発信などパソコンやスマホが必要となることでしょう。
Q. ウェルカムボードを販売したいのですが。
ウェルカムボードに限らず作品を販売したいのでしたらまず見本を制作し、値段を決め、カタログを制作してみましょう。
紙のカタログはお友達やお店に配り、ネット上ではサイトやFBなどで紹介をしていきましょう。
注文がこないようなら、お友達やウェディング関係の方にアドバイスをもらい工夫を重ねていきましょう。
Q. プロになると道具は違いますか?
ペン先・ペン軸は特に変わりません。作品はインクではなく絵の具を使います。(インクは退色が早いので)
筆はペン先に絵の具を入れるための太い筆(幅5ミリ前後の平筆など)と、
細かいところを着色するための細い筆と分けると良いでしょう。(各々何本か用意します)
紙はプロがこだわるべきところで、書きやすく風合いのあるものが良いでしょう。
当方は白はVIFART(細目)を常備し、その他も作品のイメージに合うものをその都度チョイスしています。
額装作品でお写真をセットする場合はマットに直接描いています。