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コラムno.1​ 鉛筆画「貴婦人と一角獣」

​6連作である「貴婦人と一角獣」のタペストリーから構想を得ました。

”味覚・聴覚・視覚・嗅覚・触覚・我が唯一つの望み”にから、日頃意識している視覚をチョイス。

貴婦人と一角獣がアップになったポストカードを立体額にセット。貴婦人が持つ手鏡には一角獣が写っており大変に示唆的な図です。

デッサンのために静物をセッティング。

​光の当たり方も考慮し、長時間向き合える環境にします。

五感のカードはフランス語をゴシック体で書いています。

上部のカードには見ることの力強さについてをひらがなで。

日本語とフランス語が一つの画面の中で​違和感なく存在できるよう考慮しました。

額とカードのデッサン終了。次はタペストリーの大きな魅力の一つであるミル・フルール(沢山の花模様)を地模様のように描きいれます。無限に広がる模様は狂おしいほどの美への探求心の表れです。

​全体のバランスを考えてバランスよく植物を描きいれます。

埋め尽くされた模様からは繊細でありながら強い力を感じます。

模様の中には小さな動物たちも存在しており作品が生き生きとしたものとなります。

タペストリーでは大きく扱われている獅子はここに描きいれました。

​画面から外した目線の先に何を「見ている」のか想像が膨らみます。

貴婦人の洋服はミル・フルールに負けないくらいボリュームがあり15世紀当時の格式の高さがうかがえます。​

完成。デッサン部分の3次元表現と、バックの2次元表現をひとつの画面に入れています。

フランスの中世美術館で実物を見た記憶も大分蘇えり、改めてタペストリーのボリューム感やモチーフの意味合いなどの理解が深まりました。またカリグラフィーのある鉛筆画に取り組むことは新しい表現方法となることでしょう。

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