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コラムno.2 コラボ作品「ThePoets light but Lamps-」

女性詩人Emily Dickinson(エミリ・ディキンソン)。彼女の内面からにじみ出てくる観察力や表現力はわかりやすく力強く感じます。その中から同じ表現者として興味深く感じた「The Poets light but Lamps-」(詩人はランプに火をともすだけー)を作品に。イラストはKrimgen(イラストレーター)にお願いしました。

紙は白・黒2パターンを用意し先にカリグラフィーを書きました。

まずは詩をじっくりと鑑賞してみましょう。

The poets light but Lamps-

Themselves-go out-

The Wicks they stimulate-

If vital Light

詩人はランプに火をともし

自らはー消えてゆくー

詩人は芯を刺激するー

​もし命の光が

 

Inhere as do the Suns-

Each Age a Lens

Disseminating their

Circumference-

恒星のようにそこにあるならばー

時代はレンズとなり

​光の輪を押し広げるー

​日本語訳:Krimgen

詩人が灯した光、すなわち詩人から独立し存在し続ける詩。詩人は(そして全ての人間は)永遠ではない儚い存在です。しかし沢山の詩は光を放ち続けるというイメージで細いラインが優雅で美しいカッパープレート体を金の絵の具で書きました。​

Krimgenのイラストはランプを手に光を灯す女性が美しいタッチで描かれています。表情には思いつめたような放心したような自分に正直な内面がにじみ出ているように感じました。

黒い用紙の作品は宇宙を思わせる、より大きな世界が表現されました。カリグラフィーはゴシック体。行間に繊細な模様を入れ文字部分がひとまとまりになるようレイアウト。女性は髪がたなびき心の揺らぎや動的な思考など思わせます。左下の大きな光は詩人が灯した光、すなわち詩が輝きを持って時代を経ても広がって行く様をイラストレーターKrimgenは表現しているのでしょう。

詩集を読むことはなくても心に響く詩や言葉を額装作品にして部屋に飾ってみましょう。文学・芸術作品など作者が亡くなった後も人々を慰め温める存在であります。カリグラファーという制作する立場としてどれだけ励みになるかわかりません。

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